止めたのは僕たちだった

僕は少し広くなった傘の中で
ふたりで歩いたあの坂道を
逆さまに歩く
一歩ずつ君に 近づいていって
一粒ずつ君を 消し去った

ふたりじゃ狭すぎたこの部屋
ひとりじゃ広すぎるこの心
僕が目一杯体を伸ばしても
壁にも天井にも
手さえ触れることはなかった