光放つその欠片に
群がる夏の夜の虫
叩きつけられ 砕け散り
堕ちてもなお
明々と輝く月の欠片

その横に佇んで
じっと空を見上げる人がいる
代わりに上がった黒い月を
ずっと睨んで動かない
彼もまた 堕ちてもなお
明々と輝く一筋のカケラ

黒い月が微笑み続ける
明々と輝く欠片の上で