腕じゃなく 僕のポケットの中に
入れっぱなしの 小さな時計
「今度 取りに来るね」それきり
もう元の場所には戻らないキミ
元の場所には戻れない時計

か細い腕に ゆるめのバンド
それでも僕には はまらない
小さな針が小さな音で
あの日からの時を告げつづける

コイツの居場所は か細い腕だけ
足がただ空回るだけ
心がただ叫ぶだけ
本当の居場所にいないのは
たぶんキミじゃなく僕と時計だけ