大の字に寝そべった 僕の体は
風に流れるように 芝生を撫でた
心地良い気分と共に
僕の目には空がとても近く見えていた
届かないとは知ってても
爪の先まで 張り詰めてみた

雲を掠めた僕の右手と
指の間を吹きぬけた風
照らすあの太陽は
届かないこの手を 笑い飛ばした

虚空に溶け込む 周りの景色
流れる空気に 包まれた僕
「今なら飛べる」 そう思えた
ふっと力を 抜いた瞬間
僕の身体は 宙に浮いた
地面から 足が離れた  

空の青と 緑の芝生
ハッキリ分けた 地平線
その境目を 今突き破るんだ
出来ないことは 無いように思えた
心を洗った この春風
気がつけば 空は夕焼け