両の腕を水平に
両の脚を垂直に
両の眼を固く閉じて
両の頭を凛と冷やす

僕の横には雲がいて
僕の下には山がいて
揺らぐ体 揺らぐ視界
水色を切り裂く一本のロープ

僕はひたすらに 綱を伝ってゆく
観衆のいない とんがり屋根の下で
ピエロのように おどけながら
いつものように おどけながら