聴聞    廃人さん

勝手に走りこんでくるメロディを僕は殴りつける

それは呻き声を上げながら仰け反って僕の背中に張り付いた

それは空気中からエネルギーを吸い上げて僕を違う人物に仕立て上げていく

このメロディがなければ僕はどんな人間になっていただろう

いつかはこのメロディを殴ることができなくなるのだろう

それまでに僕はどれだけメロディを殴りつづけられるのだろう

いつからメロディをバカにするのだろう

明日はいつまで続くのだろう

僕は思わず耳を塞いだ