ある所に、獣が一匹おりました。
どこにでもいる、ただの獣がおりました。

その牙が憤怒に姿を変え
その爪が憎悪に姿を変え
その毛並は拒絶に姿を変え
その尻尾は侮蔑に姿を変え

肉体ではなく 精神を喰らう
ヒトの姿へと 進化した獣
目に映る全ては 獲物でしかない
新たな存在に進化した───私。


ある所に、人間が一匹おりました。
どこにでもいる、ただのケモノがおりました。